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――あの時の将のように…上手くはいかなかった。
沙「いらっしゃいませ。」
「……こんにちは。」
沙「あっ…いつもの…ってその傷どうしたんですか!?」
「あっ…これは何でもないです…。」
沙「でも、何でもなかったら、こんな傷は出来ないよ?」
「……彼氏にやられました…」
――その時思った。
「彼氏がいるんだ…」と
沙「そっか…取り敢えず、病院行った方がいいよ?」
「…病院なんか行ったら…殺される…」
沙「えっ?なんで??あっ…取り敢えずここじゃなんだから、中行こう?」
「…………はい」
沙「虎ー。レジってかこっちよろしく。」
虎「おう。任せとけ。」
大丈夫かよ笑
沙「…」
「……」
しばらく、沈黙が二人を包んだ。
先に沈黙を破ったのは彼女だった。
「…彼氏、DVなんです…」
沙「DV…?」
次の言葉を失ってしまった。
DV…ドメスティックバイオレンス。通称DV。
家庭内暴力のこと
まさか…この子がDVにあってるなんて、信じたくなかった。
だけど、この子に残っている傷がその酷さを物語っていた。
きっと、体の傷よりも…心の方が痛むだろう。
どうにかしてあげたい。
そう思った。
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