コンビニ

6/7
前へ
/50ページ
次へ
――あの時の将のように…上手くはいかなかった。 沙「いらっしゃいませ。」 「……こんにちは。」 沙「あっ…いつもの…ってその傷どうしたんですか!?」 「あっ…これは何でもないです…。」 沙「でも、何でもなかったら、こんな傷は出来ないよ?」 「……彼氏にやられました…」 ――その時思った。 「彼氏がいるんだ…」と 沙「そっか…取り敢えず、病院行った方がいいよ?」 「…病院なんか行ったら…殺される…」 沙「えっ?なんで??あっ…取り敢えずここじゃなんだから、中行こう?」 「…………はい」 沙「虎ー。レジってかこっちよろしく。」 虎「おう。任せとけ。」 大丈夫かよ笑 沙「…」 「……」 しばらく、沈黙が二人を包んだ。 先に沈黙を破ったのは彼女だった。 「…彼氏、DVなんです…」 沙「DV…?」 次の言葉を失ってしまった。 DV…ドメスティックバイオレンス。通称DV。 家庭内暴力のこと まさか…この子がDVにあってるなんて、信じたくなかった。 だけど、この子に残っている傷がその酷さを物語っていた。 きっと、体の傷よりも…心の方が痛むだろう。 どうにかしてあげたい。 そう思った。 Next
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加