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「えっと…とりあえずアルバートの方の話は…今は置いておこう」
オックスが仕切り直す。
「…で、問題はこの子のこと…いや、今も続いている奴隷の話なんだが…」
「…ああ、俺が戻った後に何か話したのか?」
アルバートはオックスに少女との話の内容を聞く。
「ああ、彼女の話だと、今回の奴隷の剣はかなり根が深そうだ」
「根が深い?」
アルバートはオックスに問う。
「規模が大きすぎる…と言った方がわかりやすいな」
「規模…どれくらいなんだ?」
アルバートはオックスに問う。
少女の話を聞いた上でオックスが整理をしてアルバートに話す。
そのため、少女はその話を黙って横で聞いているだけだった。
「話を聞いた限りでは、奴隷の人数は数千人と言ったところだな」
「数千!多すぎるだろ!それなら誰か気付くはずだ」
「問題はそこだ」
オックスは一息ついてから話す。
「規模が大きいにもかかわらず目撃者が全く居ない…これが異常なんだ」
オックスは立ち上がり、一枚の地図を持ち出して二人に見せた。
王宮と城下町は一体化している。
その近くに大きな山があり、そこの麓に印が付けられている。
「この印は?」
「ここがこの子が脱走してきた場所…まぁ、推定だけどね」
「山で…何をしているんだ?」
アルバートはオックスに問う。
「それは本人から聞くとしよう」
オックスは少女に話を振った。
「わかったわ。説明する」
少女は今まで自分が強いられてきたことを話し始めた。
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