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「あ…ちょっと待った」
アルバートが少女の話を遮る。
「その前にいつまでもお前だのアンタだの言うのもおかしな話だからな。自己紹介しよう」
「それもそうだな…俺もまだ君の名前を聞いていなかったな」
アルバートとオックスは少女の方に注視する。
「俺はアルバート=セルガン。アルバートって呼んでくれ」
まずはアルバートが簡潔に名前を述べた。
「俺はオックス=オーマハルト。オックスで良いよ」
二人は簡潔に名前だけの自己紹介を終えた。
「…」
そんな二人の視線を浴びる少女。
しかし、少女の口は重たかった。
「…」
「どうした?」
アルバートは少女に話しかける。
少女はうつむいてしまう。
そして…
「名前なんて…とっくの昔に忘れちゃったよ…」
少女は蚊の泣くような小さな声でそう言った。
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