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「名前を…忘れた?」
少女の言葉を聞いてアルバートは復唱した。
「もう…奴隷になって十年くらい経つから…」
少女はそこまで言って黙ってしまう。
「…はぁ」
オックスはため息を吐く。
「じゃあ、仲間からは何て呼ばれてるんだ?」
アルバートは少女に問いかける。
「…ミル」
少女は小さな声で『ミル』と言った。
「ミル…ミルって言うんだな」
アルバートは頷いた。
「じゃあミル。お前がどんなことを今までしてきたのか、ここで教えてくれ」
「…わかった」
自己紹介も終え、三人はお互いの名を知った。
そして、少女の身の上話が始まった。
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