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「…酷いな」
アルバートは暗い顔でそう呟いた。
「しかし…山を掘る理由が見当たらないんだ」
オックスがアルバートに言う。
「確かに…ミル。掘っている時に何か出てこなかったか?」
アルバートはミルに問う。
「何かって?」
「何でもいい。キラキラ光る石とか…」
「そんなものは何も出てこなかったよ。出てきたらそれの為に穴を掘っているってわかるでしょ?」
「それも…そうだな」
アルバートは俯いて考え込む。
「確かに掘っている理由もそうなんだけど…『誰が掘らせているか』というのも重要だ」
アルバートは頷く。
都のような行動も目的があって行動を行うものだ。
山に穴を掘ると言うことは何らかの目的がなければならない。
そうでなければそれほど大がかりな作業が行われるはずがないのだ。
「しかし…それほど大がかりなことをやってのけるのは…」
「ああ、間違いないな」
アルバートとオックスは目を合わせて頷く。
「え?なに?」
ミルは二人の無言の会話と同意の内容がわからずに二人を交互に見ている。
「簡単に言えば…間違いなく『上級貴族』が絡んでいるって事だよ」
アルバートはミルに説明を始めた。
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