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「上級貴族って言うのは国の舵取りの一部を委されるほどの権力を持ったごく一部の貴族達のことだ」
「つまり、資金力もあり、大勢の人員を自在に操れる人物…ってことさ」
アルバートの言葉にオックスが補足する。
「…と、言うことは…その上級貴族が隠れて何かやっているってこと?」
「そういうことだ。ミル…お前って頭良いんだな」
アルバートはミルの言葉に同意しながら感心した。
「そう?」
「ああ、今まで奴隷をやっていたとは思えない」
オックスもアルバートの意見に同意した。
「ミルは昔…何をしていたんだ?」
アルバートは気になったのか、ミルに唐突に聞いた。
「え?昔?」
ミルは少し考え込む。
そして出た言葉は…
「…よくわからない。何だか…思い出せなくて…」
ミルは再びうつむいた。
「う~ん…どうやら奴隷であった時間の強い印象が思い出せなくしている原因かもね」
オックスはミルの様子から自分の見解を述べた。
「そっか…まぁ、小さい時のことを憶えてないってのも良く聞く話だからな」
アルバートはそう締めくくった。
「アルバート…実は彼女…見た目より年はとっているんだ」
「は?」
アルバートはオックスの話を聞いてミルを見つめる。
「どうサバを読んでも12~3ってところだろ?俺の眼には10歳過ぎくらいにしか見えないけどな」
アルバートの言葉にオックスは苦笑する。
「俺も最初はそう思ったけどな。話を聞いてびっくりだ」
「ほぅ、じゃあ何歳なんだ?」
アルバートは問う。
「ミルはこう見えても16~18歳だそうだ。本人も長らく誕生日などを迎えたかどうかわからないから曖昧だけどな」
「は?」
アルバートは言葉に詰まり…
「さ…最低でも16歳!?」
…驚くのだった。
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