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…容赦のない罵詈雑言を浴びせられることもしばしばあるが、それはご愛嬌。
とゆーか慣れました。
こんな風に身近な年上(には見えないけど一応)の人と会話をしていると、なんだか妙な楽しさを感じる。
姉貴と話すのとは、また違った感覚。
もしも僕におばあちゃんがいたら、ひょっとするとこんな感じなのかも知れない。
「待て。 海、と言ったな小沢祐」
「うん? うん、言ったけど……って、顔近い近い!」
ずい、と可愛らしい顔を寄せてくる血世茄を、両手で押しのける。
柔らかい白い肌と、艶やかな黒髪が腕に触れる。
その若々しい…むしろ幼すぎる身体に、もう何度目になるか数え切れない疑問を抱く。
……今更だけど、本当に167歳なのか、このばあちゃん。
どう見ても幼稚園児にしか見えない老婆は、飲み干したお茶のペットボトルをベンチに置き、顎に手を当てて、
「海…それは即ち、美鈴の水着姿が拝める一大イベントではあるまいな?」
エラく真剣な表情で、そんなことを呟いた。
「そーだよ? 水に入るみたいだから。 今日、買いに行ったし」
異様な気迫に若干引きつつも、おずおずと肯く。
途端、目にも留まらぬ速さで、彼女の両手が伸びてきた。
「なななな、何故それをもっと早く知らせぬのだ!?」
僕の肩をがくんがくんと激しく揺さぶりながら、鬼気迫る表情で怒鳴る血世茄。
子ども特有の(おばあちゃんなのに)可愛らしい高い声が、夜の公園に木霊する。
「こ、こうしてはおれぬ! 祐よ、貴様が水着を購入したというデパートへ我を案内するのだ、さあ早く!」
「いいややややや、べ、別に構わないけど、どうして血世茄が」
「口答えするでない! 吐け! 吐くんだジョー!!」
「ネタが古いや流石美鈴のおばあちゃん新都にある十並デパートだよ!?」
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