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「…………ぁ、?」
みちみちと音を立てる筋肉や血管を強引に引きちぎる。
もぎ取った少年の頭が、掠れた断末魔を漏らす。
ぼたぼたぼた、と首の断面から生温かい液体が滴り落ちる。
足元で跳ねて、靴に飛び散った。
後ろの噴水と同じように、アタマと永久の別れを告げたカラダが、真っ赤な飛沫を噴き上げる。
その様子は、まるで壊れたスプリンクラーのよう。
眉間を痙攣させる千切れた頭を放り投げて、身体にぶつける。
大して力も入れてないのに、ものすごいスピードで飛んだ。
ごしゃり、
肉と骨と内蔵の潰れる、水っぽい音。
散乱した肉片が頬に張り付く。
指ですくってみると、赤黒くてぶよぶよしていた。
口に含む。
血と内蔵の味が口いっぱいに広がった。
前菜にしてはなかなかの味。
それではメインディッシュに取りかかりましょう。
肋骨を粉々に粉砕して、腸や腎臓を巻き込みながら頭を陥没させた少年の遺体。
血と脂でべっとり汚れた彼の腕を掴む。
骨のひしゃげる音。
軽く摘んだだけなのに、腕は呆気なく潰れてしまった。
「…ひか、り……」
からからに渇いた喉の奥から、絞り出すように呟く。
そのコトバを合図に、かつて男の子だった血まみれの肉塊が、眩い輝きを放つ。
溢れ出す、目の眩むような光。
その光は、サッカーボール大の球体に形状を変え、私のおなかにずぶずぶと沈んでいく。
喉の渇きが潤っていく。
空腹を訴えていた胃の叫びが、少しずつ大人しくなっていく。
その感覚があまりにも心地良くて、私はしばらくの間恍惚としていた。
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