Chapter2

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「硝霞…?」 僕の後輩であり、美鈴と同じ狩人でもある、魔法少女を自称する女の子。 大きな瞳と、口の端からちょこっと覗く八重歯が魅力的。 奈央に匹敵するテンションの持ち主である。 「あっ、先輩!! こいつぁなんたる運命のイタズラ。 二人の愛し合う想いが、こうしてオレたちを巡り合わせたっぽいぜ!」 自分を見つけるやいなや、硝霞はクリクリした瞳を輝かせ、腕を千切れんばかりに振り回す。 車内の視線が、一斉に僕と硝霞へ集中する。 「大声で戯言をほざくのはやめてくれ。 みんな見てるから」 「今更なぁに言ってんだよ。 オレとセンパイの仲じゃん♪ 恋人同士の愛の語らいに…人目を気にする必要なんざ、オレは微塵たりとも感じねぇ!!」 「それはキミ個人の話でしょ!? 僕は気にします! 電車ん中やファミレスでいちゃついてるカップル見ると殺意が芽生えます、というか僕と硝霞の間には何もないし!」 「酷ぇ!? ベッドの上であんだけ激しく求め合ったじゃねぇか、オレたち!?」 「………小沢くん。 キミ、最低ね」 「ちょ、違うからね綾瀬さん!? そんな冷ややかな眼差しを僕に向けないで!? 硝霞も誤解招く言い方しないでよ!」 「オレのコトは遊びだったんだな!?」 「意味わかんないよ! 入院してた僕の病室に忍び込んで無理やりキスしてきたのはどこの誰!? 求めるどころか一方的に奪われただけだし!」 「つまり、結局はオレのカラダだけが目的だったんだな!? 畜生っ、オレの乙女心を弄びやがって!!」 「乙女心が聞いて呆れるよ!」 「祐テメェ! この裏切り者ぉ!!」 「引っ込んでろ水仙! オマエが出てくると余計ややこしくなる!」 「あああ、美鈴ちゃんに続いてあんな可愛い後輩にまでフラグ立てるなんて……羨ましいんだよコノヤロウ! 小生もどの女の子攻略するか、一度でいいから悩んでみたい! つーか悩ませろ」 「黙れ変態! 日本語喋れエイリアン!」 「小沢くん、キミはあんな無垢な後輩に手を出した挙げ句、要らなくなったらゴミのように棄てるのね。 彼女の純粋な想いを、そうやって踏みにじるのね。 今までの女の子に、散々そうしてきたように…」
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