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「散々てなに!? 綾瀬さん、僕を女誑しの下郎みたいに言うのやめてくんないかな、まったく身に覚えがない!!」
「違うの?」
「違うっつってんだろ!」
「…これはこれは。 是非とも教えないと。 鈴っちに。 面白おかしく」
「……かつてない邪悪なオーラがにじみ出てますよ、見晴さん」
「うわーんだぜ!! オレ、センパイに見捨てられた……魔法少女なのにッ!」
「めんどくせえなあオィ!? どこだ、どこから突っ込めばいい!」
「あはははは、くーちゃんサイテー!」
「だああああ!!」
頭をかきむしる。
酷くない? この集中砲火。
みんな僕になんの恨みがあるんだよ。
一斉に突き刺さる冷ややかな視線に、どうして良いかわからず途方に暮れる僕。
このままではキャンプが始まる前に、社会的に抹殺されかねない。
「――――ふふふふ~、ようやく見つけたですよ~?」
そんな困り果てたところへ、ひどくゆったりした声が、唐突に割り込んできた。
「げっ」
「あ、戸山さん」
長い銀髪の、のんびりした雰囲気の少女。
「いつもニコニコ笑顔、しかしその本性はとても腹黒く、卑劣極まりない。 盟欄学園を影から牛耳る恐怖の生徒会長、戸山天螺先輩だった」
「考えてるコトが全部口に出てるですよ? キミはケンカ売ってやがるですか?」
にこやかに言いつつ、銀髪の生徒会長は俊敏な動作で硝霞の背後に回り込み、彼女を羽交い締めにしてしまった。
「やれやれ、間一髪。 ピンクちゃんは、手間かけさせやがる後輩ちゃんですね~」
「は、離せっ! オレだってちゃんとキャンプ申し込んだじゃねえかよー!」
手足をじたばたさせてもがく硝霞だが、戸山さんの拘束はびくともしない。
すげぇ。 狩人の腕力押さえきってるよ、あのヒト。
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