Chapter2

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いい年して自分のこと美少女とか言っちゃってるし。 フツーに年齢とか美鈴との関係明かしちゃってるし。 いやそれ以前に、あの外見じゃ誰も信じないだろう。 窓を突き破って現れた得体の知れないコスプレ幼女―――そんな怪しすぎる乱入者を前にして、すんなり納得するわけが、 「「「「「よろしくお願いしまーす!!!」」」」」 「―――って、満場一致で了承!?」 幼女で老婆なバスガイドの存在を、クラスメートたちは実にあっさり受け入れてしまった。 「ち、ちょっと待ってよ! なんでみんなそんなに物わかりいいの!? 心広いにも程があるよ!?」 「うるせーぞ祐。 男は何事も許容できる器を持たなくちゃ、小生みたいに」 「お前だけは見習いたくないっ! ていうか幼女だよ!? どう見ても外見5歳前後じゃん! それで167歳とか美鈴の曾おばあちゃんとか名乗ってんだよ!? ちょっとは疑問に思えよ!」 「なにをハアハア興奮してるの小沢君。 そんなんじゃ、また勘違いされるわよ?」 「またって何さ綾瀬さん!? 僕はただ、至極当然のリアクションをですね」 「…つまり、小沢君はロリコンだったのね?」 「どっからその結論に行き着いた!? 人の話聞けよ! 大体、窓ガラス突き破って現れたんだから、せめてもうちょっと危機感とか驚きとかを」 「大丈夫だよくーちゃん! 窓ガラスの下に居たのは、何も知らずにぐっすりだった健ちゃんだけだもん。 ほら♪」 にこやかに告げて、ぐったりしている健介を持ち上げる奈央。 無数のガラス片の突き刺さった額は、赤いペンキでもぶっかけたかのように血まみれで。 白目を剥いたまま、死んだように動かない。
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