Prologue

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「ったりめェだ。 次に逢った時ゃ、抵抗する気も起きねェくらいズタズタにしてやる」 「なら構わん、放っておけ。 我らの前に立ちはだかるのであれば、その時は斬って棄てればよかろう。 今後の方針について説明する」 「なっ…!?」 あの少年が真っ先に殺害対象となることを予想していた巳零は呆気に取られる。 この男は、自分をこの様な目に遭わせた輩を放置する、と言ったのだ。 そんな彼に構わず、男は話を進める。 「余は『氷刃』について探りを入れる。 亥断は引き続き『獄炎』の動向を探れ。可能ならば始末しても構わぬ」 「カカカッ…! 儂が奴(やっこ)さんを斬り殺してしもうても、文句はなしじゃぞ?」 「遠慮は要らぬ。 貴様の好きな殺し合い、存分に味わうが良い」 「カーッカカカカカカ!! 承知したぞ、王よ!!」 「叉戌真は“補充”に回るがよかろう。 先の戦闘で随分と消耗した筈。 万全の態勢を整えてくるが良い」 「はっ…」 「但し、収集場所には細心の注意を払え。 理解してはおろうが、十並市外の土地で慎重に。 せいぜい、劣悪種どもに感づかれぬようにな」 「御意」 「巳零は琉子と共に療養だ。 傷を癒やし、次なる闘いに備えよ」「ざけんじゃねェ!!」 倉庫内に、青年の叫びが木霊する。 男の指示に、光喰らい巳零は激昂した。 「あのクソ坊主を放置するだけじゃ飽き足らず、此処で大人しく休んでろだァ? 冗談じゃねェ! オレは今すぐアイツをぶちのめしてェんだよ!!」
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