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「あ、ぐがあああああああああァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!?」
凄まじい激痛が全身を駆け巡り、巳零は絶叫した。
地面に膝から崩れ落ち、灼熱の炎で炙られるような痛みに悶え苦しむ。
そんな青年の姿を、男は冷たい表情で見つめる。
「これで動けなかろう? 暫くそうして地に這い蹲っておるがよいわ、愚か者め。 余が戻るまでに、その頭を冷やしておけ」
鼻を鳴らし、巳零から視線を外す男。
そうして彼は、隣で身を堅くしている赤髪の少年に目を向ける。
「琶酉」
「は、はい!」
巳零の腕の有り様に戦慄していた彼は、自分の名を呼ばれ、慌てて背筋を伸ばす。
目の前の男が如何に恐ろしく、絶対的な強さを誇る王であることを改めて自覚した。
「お前には『鈴』の狩人、並びに巳零を倒したという人間の少年の監視を命ずる。 万が一、危険と判断された場合、可能とあらば――――即座に抹殺せよ」
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