最後の手紙

届いた手紙

一体なんだというのか。
突然現れて敵意を隠すことなく放たれた言葉に苛立ちを覚えて携帯を取り出す。
この苛立ちを紛らわせる為に誰かを呼び出そうと決めてアドレス帳に目を走らせるとある名前に目が止まった。

その名前に最近連絡を取ってないなと思考を巡らせる。
前にその名前の主からきたメールはもう２ヶ月以上前。
そんなことを考えると先程までの苛立ちがふと落ち着き、自分にしては珍しく家に帰ろうと決める。

家は好きじゃない。
だから居場所を探してフラフラと徘徊するように街に出るのだ。