出会い

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山賊達は、淵を睨みつけながら各々の武器を出し、身構えた。 すると、馬小屋から4人の武士がゆっくり出てくる。 山賊頭「フンッ、なるほど。村の長め…魏の国に助けを求めたって訳か…。 こんなチンケな村に来るのは、どうせ雑魚だ!恐るるに足らぬわ!!行け!」 山賊達「うぉぉお!!」 山賊達は頭の号令で士気を上げ、中央に向かって突進した。 淵は山賊めがけ弓矢を放ち、 馬から山賊を振り落とした。 槍や剣を持った武士達は 馬の間を身を低くし、身軽に動き周り、山賊達を惑わせた。 山賊達の攻撃が当たらない。 馬がかえって邪魔になる様だ。 山賊達は馬から降りて剣を振り回した。 一方、 惇は小屋の外で まだ青年を説得していた。 惇「今出ると、間違いなく袋叩きに合うぞ?」 青年「くっ…!」 惇「この村の苦しみを聞いたであろう…力になりたいとは思わぬのか?」 惇は青年に語りかけながら、小屋の壁に立て掛けてある丈夫そうな木を横目でみた。 青年「武器なんて持った事ないって言っただろ!」 惇はその言葉を聞いて首もとの布を掴み布の下に着た鎧に目をやった。 惇「これは飾りか?武器を持った事のないお前が、なぜこんな立派な鎧を着てやがる?」 惇の言う通り、青年は瑠璃色の美しい鎧を身につけていた。 惇「村人の為に…戦ってくれぬか…?」 言い終わる前に青年は叫んだ。 青年「危ない!」 山賊の一人が惇の背中に襲いかかったのだ。 ガキ-ン!! 鉄同士がぶつかる激しい音が辺りに響いた。 惇は後ろを振り返る事なく素早く剣を抜き、 山賊の剣を後ろで止めていた。 青年は唖然とした表情で 冷静な惇の顔をみた。 軽やかで速い! 惇「そこにある木を持ってこい!!」 青年は惇の迫力に、思わず言う通りに木を手に取った。 惇「ハ!!」 惇は後ろで山賊の剣を受けたままの体勢で かけ声と共に山賊の剣をはね除けた。 山賊は、弾き飛ばされたが、慌てて体勢を整え、惇の方を睨みながら身構える。 惇は山賊の方に向きなおして ゆっくりと剣を構え、間合いを取った。 惇はゆっくり隙を探りながら青年に 惇「手始めにコイツを打て。そいつを構えろ。」
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