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青年は木を構えると
ゆっくり惇と入れ替わった。
惇「危なくなったら援護してやる。」
青年は山賊との間合いを詰めると、隙を探る。
青年「は!!」
ガギン!
山賊は慌てて青年の攻撃を受け止めたが、押されている。力は青年の方が上の様だ。
ギン!
山賊の剣をはね除け、山賊を押し倒して木で両手と首を押さえ付けた。
惇は何故か呆れた顔をしている。
惇「山猿一匹捕獲。」
腕をロープで縛り、
中央広場に急いだ。
惇は中央広場に着くなり
惇「どけぇい!」
と剣を大振りに振り回し
武士一人に群がる5人の山賊を一撃で吹き飛ばした。
武士達は惇の姿を見つけ、惇の後ろに回った。
武士A「…き…き、キツイっす!!!」
先ほど、5人に囲まれていた武士がゼィハァ喘ぎながら惇に訴えた。
遠回しに「遅い!」と言いたいらしい。
それを察した惇は
鼻で笑った。
山賊達は惇の姿を見て手を止め、静まりかえり、
武士達は惇の後ろへ、
山賊は山賊頭の後ろへ揃った。
山賊頭「な…!夏侯惇!ではあれは…夏侯淵か?!なぜこんな村に…」
淵達も屋根から降りてきて夏侯惇の横に着いた。
惇「山猿よ。まだ戦うつもりか?」
周りを見渡すと、武器を構えて立っている山賊は20人程度、
兵士達はゼィハァ言っているがそれほど深い傷は無いようだ。
淵「こいつらは第一線で戦ってる連中だ。お前ら山猿が何百匹で来たとしても、敵わないだろうよ。
それにコイツら、お前ら猿よりもすばしっこいときた。」
淵はニタニタ笑いながら山賊に言う。
山賊頭「…わかった、降参しよう。夏侯兄弟に敵うはずかない…。」
惇「さすが山賊の頭よ、懸命な判断だ。」
山賊達はみな武器を投げてその場に座り込んだ。
これ以上の被害を防ぎたいのだろう。
惇「なに、俺達は何もお前らを滅ぼすつもりではない。
お前らの身軽さを価って蜀の国へ偵察をしてもらおうと思う。」
青年「…山賊が、んな条件飲むかよ。」
青年は呆れたような言い方でそっぽ向いた。
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