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しばらく馬を走らせると
小さな村が見えてきた。
どうやら、彼らの目的地のようだ。
惇「間に合ったようだ」
村の様子は、少しざわついてはいるものの
争いがあった気配はないようだ。
惇は安心したのか、馬の速度を少しずつ落とした。
門の前に目をやると、
武装した村人が3人立っていた。
武装といっても貧しい民兵…
簡単な防具を身につけただけである。
村人A「あ!あれは!!」
惇達がゆっくり村へ近付いていると
村人がこちらに気付いた。
村人B「あの方々は…まさか!夏侯兄弟?!」
村人C「なんと…こんな小さな村の為に、あのお二人が…ありがたい!!」
惇達は村人の傍で馬の足を止めて
馬から降りた。
村人A「夏侯淳様、夏侯淵様。
ようこそいらっしゃいました。
こんな小さな村にお二方のような武将様がいらして下さるとは…
ありがとうございます。」
惇「村の長に会わせてくれ」
はぃ、村人完全無視。
村人A「え…は、はい…」
村人Aは慌てて村の中に入って行った。
惇は馬を引いて村人Aの後をついていく。
淵は、あちゃー…という顔をして、
残った村人二人に声をかける。
淵「悪いなぁ、惇兄は戦前で気が立ってる様だ…」
村人C「い、いえ!私達は来て下さるだけで…。しかし何故、曹操様はこんな小さな村にあなた方のような武将様を?」
淵「うむ、実は言い出したのは惇兄なのだ。」
村人B「夏侯淳様が!?」
淵「何でも…昔、この村に恩があるとかで…
曹操殿に直々に申し出たのだ。」
村人C「この村に…??そんな話、村長にも聞いた事がない…」
淵「さぁ、俺達も案内してもらおうか。早く行かねぇと、惇兄の機嫌がますます悪くなる。」
とニコニコしながら言った。
村人B「あ!はい!!こちらです。」
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