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村の中に入ると、
藁で出来た屋根は低くく、白い壁には丸い小窓と、簾がかかった出入口。
とてもシンプルな造りの
どれも似たような
小さな家がポツポツと建っている。
村の入口を入って真正面、丁度村の中心にある
中央広場には村人があつまっている。
村人の男達は皆、
先ほどの村人達同様に武装をして整列している。
周りには女、子供、老人が寄り添い、
不安な顔で武装した村人達……もとい、それぞれの家族を見守っていた。
武装した村人の中には少年もいるようだ。
整列した村人達の前には、惇と老人が一人立って話をしていた。
淵「あれが村の長か…。なんか、絵に描いたような長老って感じだな?ガハハ!」
腰が曲がった老人で
歳は80歳くらいか?
立派な杖を持ち
立派な白髭をたくわえている。
淵も惇の後ろにつき、村長の話に耳を傾けた。
村長「奴ら、今日は夕刻に来ると言っておりました。それまでに、いつもの様にこの祭壇へ供えろと…」
惇「…夕刻か…。
時間がない。被害を詳しく教えてくれ」
村長「は、はい。」
村長はコホンと咳をし、
被害の始まりを話し始めた。
村長「もう半年ほど経ちます。平和に暮らしてたこの村に奴らが来たのは…
~・~・~・~・~・~
あれは暗黒の雲が立ち込めた、ある日の夕刻の事。
山賊6人が激しい雷に紛れて、この村を襲いました。
幸い死者は出なかったのですが、
村中の武器を奪い取られ、
若い者は皆、深い傷をおい…
あっという間に
立ち向かう事が出来ぬ程に
追い詰められてしまいました。
やつらはこの祭壇に立ち大声で言いました
賊「我々は山の神の使いである!
逆らえば嵐を呼び大雨をふらせ、
こんな村など直ぐに潰してしまえるのだ!!
大人しく言う事を聞きやがれ!命までは取らん!」
村長は
村人の命が助かるならばと
地に手をつき、頭をさげて必死に助けを乞うた。
村長「どうか…どうか村人の命をお助けください!」
村人も村長に続き、
地面に膝をついた。
賊「…ふっ…クククッ…クハハハハハハ!!
なかなか利口だなこの村の村長はよぉ!立派な村長様だ!!
気に入った!
良いだろう、命までは取りはしねぇ」
村長「あ…ありが
村長の言葉を遮るように賊は言葉を続けた。
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