出会い

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賊「ただしだ!! これからお前らは、『俺達の為』に働け! この祭壇で祭るのは、俺達だ!いいか?! この村の金目の物、食料、武器、全てこの祭壇へ祭れ!! お前ら全員、贅沢は許さん! お前らが生きるのに必要最低限の物以外は 俺達のものだ!分かったな! 隠しても無駄だぞ!こんな小さな村だ、すぐに見つけだしてやる!! あすの昼にでも取りに来る。働けよ?俺達の為に…ヒャッハッハァ!』 ~・~・~・~・~・~ 村長「そう言うと引き上げて行きました。 翌日、やつらが宣告した通り 昼の刻に乗り込んできました。 祭壇に置いた金品、食料を盗って行き、 これで今日を無事乗り越えられたと安心しました。 ところが… …私は村人達みな 全ての食料、金品を置いたと信じていたのですが… ある家族が、彼らを侮(あなど)り 指輪や食料を隠し持っていたのです。 賊共は、最初から一部の村人が隠し持っているのを見通していたかのように、 村中をくまなく探しだし、 とうとう見つけられてしまいました。 隠し持っていた村人は婚約したばかりの若い夫婦で… 夫婦は別々の所に 奴隷として売り飛ばしたと聞きました…。」 淵「……。」 惇「ふむ…。我々の支配下の村で このような悪行…放ってはおけぬな… では村の長よ、村人を全員、家に帰し待機させてもらおう」 村長は惇の言葉に耳を疑った 村長「い、いま何と?!ここは私達の村でございます!それに、山賊達は皆さんの3…いや、4倍の人数はいます!例え夏侯兄弟様とて、かな…」 淵は村長の言葉を遮り声を荒げた。 淵「お前ら素人に戦場をチョロチョロされたんじゃ、邪魔くさくて戦えねぇって言ってんだよ!!」 村長「な…!!」 惇「淵!!…すまんな、村の長よ。だが、戦は人数ではない。皆の手を借りずとも、山猿の40や50…なんとも無いわ」 惇は余裕の笑みを浮かべ、村長に そう言い放った。 淵は、惇に怒られ、 ばつの悪そうな顔をして顔をそむけている。 村長は心を落ち着かせると 惇達の気づかいを悟り 目に涙を浮かべ深々と頭を下げた。 村長「年をとると、どうも涙もろくてイカンですなぁ… 村人よ、聞いたであろう! 我々が被害を受けない様にとの心使いに感謝し 皆、避難するのだ。 誰一人として家から出てはならん!足を引っ張ってはならん!よいな!!」 その言葉を聞いて 村人は一斉に武器を捨て 自分の家族に駆け寄り、 戦から逃れられる安堵感から家族と抱き合い 家に避難していった。
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