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『ならない』 『お前は、絶対にあんな奴のようにはならない』 真次なら、そう言ってくれるだろう。 俺がこの手で撃ち殺した、アイツのようにはならない……と。 自分を許してくれる。そして、自分を癒してくれる。 そんな真次の優しさに甘えてしまう自分の弱さ。 「俺は……俺は弱い」 「綾?」 心の中で渦巻く感情が、思いもかけず堰を切るように外へと溢れ出す。 どうしようもなく抑えきれない心の闇。 「俺は卑怯だ……。アイツに向き合う事も出来ず、俺はただアイツの闇から逃げ出したい一心でアイツに銃を向けたんだ、俺がアイツを殺した……」 そして、その事実から罪悪感から逃れたいが為に、差しのべられた手にすがっている。 その手が無条件で、俺を受け入れてくれる事を知っているから、すがってしまう。甘えてしまう自分の弱さ。
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