track 2

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 次の曲を入れていなかったのか、画面にはオススメ曲が流れる。 「……もう、ぷこにデブとか言うな」  トムがエナちゃんに何かを言っているけど、テーブルを挟んで向かい側に座る私には聞こえない。エナちゃんは一瞬表情を暗くし、すぐに戻した。 「もう何言ってるんですかあ。エナ、そんなこと言ったことないしー」  バシバシとトムの肩を叩くエナちゃん。あまりの勢いに、トムが傾いた。 「さ、茶番はこれくらいで。悔しいけどぷこはボーカルだわ」 ――ぷこ。  エナちゃんにそう呼ばれて、なぜだか嬉しくなる。 「ショウくんに近づくためにバンド組もうと思ったけど、一番狙って組むわ」  エナちゃんはデンモクで流れる音楽の音量を小さくする。 「ぷこ、楽器できる?」 「さっぱりだね」 「ショウくんはギターだよね?」  押され気味に、トムが頷く。 「エナはベースやるから」 「おー、ベースできるの?」 「だって美人がベース弾く姿って絵になるでしょ?」 「なるなる」  トントン拍子に物事が進む。 ――てか私、参加しなきゃいけないみたいだね……。 「ま、ドラムはどこかのバンドから連れてくるよ。エナ、人気者だから」
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