track 3

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 エナちゃんがいかに人気者か、よくわかった。カラオケに行った翌日、遅れずに学校に着くと、トムの周りに人だかりができた。 「お前いつ、あの水川江奈と知り合ったんだよ」 「ショウくん、とか呼ばれてマジうらやましい!」 「代われー代われー」  ただでさえ人と話すのが苦手なトムが、人に囲まれ質問責めにあい、死にかけている。私に助けの視線をチラチラ送ってくるけど、ええ、私には無理です。だって、 「ねえ、あの子態度悪すぎない?」  私も質問責め……というより、悪口責めにあっているから。 「エナちゃんはあれが持ち味なんだよ」 「でも風子にあんなこと言うなんて……」  そういうハッキリ言わない方が、ずいぶんタチ悪いよ。 「本当のことだし。私は気にしてないよ」  ははは、と笑うと、クラスメートの女子は渋々口を閉じる。 「風子が……言うなら」 「ご心配ありがとう」  エナちゃんったら、女の子の敵を作りやすいのね。クラスでうまくやってるのかなあ、なんて、少し心配になった。
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