track 3

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 でも、そんな心配は無用だったらしい。 「あんたに心配されるようじゃ、エナもまだまだね」  放課後、トムを迎えにきたエナちゃんに、思い切って聞いてみた返事がこれだ。 「くだらない嫉妬を相手にするなんて、バカな真似はしないもの」  ズバッと言う姿は、一本筋が通っていてかっこいい。 「もっと実のある話をしなさいよねっ」 「はーい」  エナちゃんに連れられ、私たちはスタジオにやってきた。ステーションモールの中にある、小さな貸しスタジオだ。 「ちょっと予約してくるから」  エナちゃんはひらひら手を振り、1人で入って行く。 「……ついて行かなくていいのかな?」  こくり。トムは私が言い終わらないうちに頷いた。  10分くらいして、エナちゃんが戻ってくる。 「割引券しかくれないなんて、シケたスタジオね。無料にしなさいよ無料に」  ぶつぶつ文句を言いながら、「行くよ」と私たちを先導する。エナちゃんは、以前にバンドを組んだことがあるのかな? 何をするのかわかっているみたいだった。
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