track 3

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向かった先は、モール内にある楽器屋さん。一区画にたくさんの楽譜が置いてある。 「曲、決めるよ」  エナちゃんは手近にあった楽譜を手に取り、パラパラめくる。私も真似して、楽譜を手に取った。 ――楽譜なんて、小学生のときにリコーダー吹いたときに見た以来だ。  音符の羅列が、何を意味するかも解らない。 「ショウくんは普段、どんな曲を弾いています?」 「……洋楽」 「却下」  エナちゃんは楽譜を置き、また別の楽譜に手を伸ばす。 「エナたちは一番になるんだから。一般の人が楽しめる楽曲を選ばなきゃ。エナ目当ての人も楽しめる楽曲をね。うまいだけじゃダメダメ」 「私、最近のJPOPあまりわからないよ?」 「CD聞いて、わかりなさい」  ピシャリと言われ、それもそうだと納得する。 「2曲くらいかな。今回参加者多いだろうから、割り当てられる時間は少ないよね」 ――エナちゃん、すごい考えているんだ。  感心してしまった。やっぱりエナちゃんはいいなあ。好きだ。 「よし、これにしよ」  エナちゃんは楽譜をトムに手渡した。 「ショウくんの実力をエナに見せて」
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