track 4

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「……どうよ」  ひと通り弾くと、エナちゃんは髪をかきあげた。ツインテールも似合うけれど、ただ下ろしている髪型も可愛いなあ。 「言うほど上手く」 「上手だった! エナちゃんすごいね!」  余計なことを言おうとするトムを遮り、拍手をする。エナちゃんは一瞬、子どものように素直に表情を崩したが、すぐに戻す。 「あ、あったり前よ」  楽譜にはたくさんの書き込みがあり、指にも小さな傷がちらほら。いっぱい練習したことがうかがえた。 ――やっぱりエナちゃんはすごい。  私の口元はゆるむ。まだ短い付き合いだけど、エナちゃんは頑張る子だと思っていたから、余計に嬉しかった。 ――トムもエナちゃんを、きっと好きになる。  大好きな2人が付き合ったら嬉しいなあ。ぼんやりと思った。 「次はショウくん」  エナちゃんはその場に座り、トムにバトンタッチ。トムは頷き、ギターを弾いた。
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