track 4

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――相変わらず、上手だなあ。  トムのギターを聞いて、懐かしい気持ちになる。トムのギターを聞くのは、いつぶりだろう。高校に入った頃ぶりだっけ? 「……すっごい」  ぱちぱちと、エナちゃんが拍手をする。目をまんまるにして、びっくりしている。 「トム、またうまくなったね」  誉めると、嬉しそうに目を細めた。 「これ、いけるわ。1番とって、豪華景品ゲットも間近!」  握りこぶしを宙に向け、エナちゃんは高笑いをする。 「……練習、必要だけど」  トムはエナちゃんを見て、ぼそりと呟いた。 「もーショウくんったらイジワル」  機嫌がいいのか、エナちゃんはつんとトムをつつく。そして私を見て、「ちょっと合わせてみよう」と言った。 「合わせるって、演奏に合わせて歌うってこと?」 「それ以外に何があるのよ。エナは聞いてるから、さ、やって」  パンパンと手を叩く。私はトムを見た。トムも私を見て、こくりと頷く。 ――トムのギターに合わせて歌うのは、中学生ぶり?  音が響く。私は目をつむった。
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