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「さ、時間余ったし、もう1曲を決めようか」
「練習は」
「何がいいかなー」
トムの言葉をするっと無視して、エナちゃんが楽譜を広げる。前に買った、JPOPがたくさん載っているものだ。
「でも発表するの、秋でしょ? ヒット曲だと飽きられないかな」
「ライブと言いなライブと」
鋭いツッコミが入る。エナちゃんは楽譜から顔をあげた。その表情はにやりと悪そうなもの。
「それに、誰が文化祭のためと言った?」
――とってもとっても、いやな予感。
「音楽祭に出るのよ」
ふんっと胸を張って、エナちゃんは答えた。
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