track 4

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「頭大丈夫?」  エナちゃんをちらりと見て、私に耳打ちするトム。 「聞こえてるよ、ショウくん」  頬の横で両手を組み、膝を少し落とす、いわゆるぶりっこのようなポーズをするエナちゃん。トムの体がビクッと震えた。まさか聞かれたとは思っておらず、びっくりしたのだろう。 「エナはね、メダルが欲しいの」 「メダル?」  目を輝かせるエナちゃんに聞く。エナちゃんはメダルより、副賞に興味があるのかと思った。市の音楽祭の副賞を知らないけれど。 「キラキラなメダルは、キラキラなエナにぴったりだもの!」 「ぷこ、」  トムが私の後ろに隠れる。メラメラと目に炎を宿したエナちゃんが怖いらしい。私が何か言ってくれると期待しているトムの瞳。  うーん、と腕を組み、私は口を開いた。 「やるか!」 「よしきた!」 「ぷ……」  ガクッと肩を落とすトムが、目に浮かぶ。振り向けば、思った通りの落胆した顔をしていた。
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