track 1

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「ぷこは名前が、風子(ふうこ)だから」 「そうなんですかー。エナはショウくんって呼んでいいですかあ?」  私の名前は華麗にスルーして、エナちゃんがトムににじり寄る。トムは私の後ろに隠れて、こそっと耳打ちした。 「遅刻する」 「ああ! 急がなきゃね!」  私が突然に大声を出したので、エナちゃんはびっくりして声をあげた。 「きゃ、驚かさないでよ」  私はトムと学校に向けて走り出す。エナちゃんは少しうろたえ、すぐに追いかけて来た。 「置いて行くなんてひどーい」 「遅刻しちゃうんだよー! 今日は集会だから」  走りながら言うと、タラタラ走っていたエナちゃんの足が急に速まる。 「早く言いなさいよ」  3人で正門をくぐったときには、すでに遅刻だった。
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