track 2

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 2限が始まる頃に、教室に戻る。1限の授業の途中に教室に入るのは億劫だったので、エナちゃんと談話して過ごした。簡単に言えば、サボりだけど。  エナちゃんはとっても口は悪いが、面白い子だった。「ありがとう」という言葉を言うために30分もかかるなんて、素直じゃないんだから。いま流行りのツンデレかと言いたくなったよ。 「や、トム」  机の上にカバンを置き、先に戻っていたトムに話しかける。トムは席についたまま、心配そうな目をした。 「ああ、ちゃんと消毒したよ! 結構皮が剥けてて、本当に悪いことしちゃった。あ、エナちゃん一学年下なんだって。可愛いよねー」  ばーっと話すと、トムは安心したように頷く。 「ぷこが笑ってて良かった」 「ご心配無用だよ、私あの子、かなり好きだ」 「…………ん」  少し笑うトムに、うむと頷く。 「ぷこ」 「ん?」  トムは何かを言おうとするけれど、ぐっと飲み込んでふるふる首を振った。 「なんだよ、途中で言いやめるなんて気になるじゃない」  しかし、トムがまた口を開くことはない。チャイムが鳴ってしまい、食い下がることもできなかった。
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