75人が本棚に入れています
本棚に追加
「……私に自害しろというの?」
アシェリーの言葉に泉の先から聞こえてくる母の声は、一瞬戸惑ったように口ごもった。しかし、次の瞬間にはこう告げた。
『ほんの一瞬だけよ……苦しむのは。そうすれば、貴方は楽園の住人となりお母様やお父様と一緒に暮らせるのよ。さあ、泉の中を歩いて母の元にいらっしゃい。』
死を促す母の言葉。
しかし、アシェリーの愛情に飢えた心はもはや限界をむかえ、生きるという感覚が麻痺をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!