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あれから、電車に揺られて都心へ行き着いた。 都心には田舎者から見ると、比べ物にならない程、人が多い。 「すっげえ。俺ってば場違いかも」 周りを見渡すと、駅の前を行き交う人々は、最新のファッションを完璧に着こなし、堂々と街を歩いている。 それに比べて翔はヨレヨレのTシャツにGパン。 髪も伸びきったままで、どう見ても浮いている。 「くっそ~。俺に金があれば、服だって、何だって買えたのに」 翔は、この場に居たたまれなくなり、走り出した。 通り過ぎて行く通行人の目が痛い。 「なに?あいつ。ダッサー。」 「あんな格好で彷徨くなってーの。アハハハッ」 通行人の心無い言葉にダメージの受ける翔。 しかし翔はめげない。速く住み込みの仕事を探して、見つけて、就職をしたら。 そうしたら、稼いだお金で服も買えるし、こいつらをギャフンと言わせれるじゃないか。 翔は、そう自分に言い聞かせてる。 「なに弱気になってるんだ。お金さえ貯まれば。貯まってしまえば」 自分の世界に入った翔の背後に男の影が差した。 「おい」 男が声をかけてきたが、翔は自分の事が精一杯で、気がつかなかった。 そんな翔に男はイラっとしたのだろう。 翔の肩に手を置き無理やり振り向かせた。 「なんだよ!」 自分の世界から無理やり引き戻された翔は、後ろに立っている男を睨んだ。 「う…」
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