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「う、嘘だ」 夕食の買い物を終え、玄関先に突っ立ったまま、真っ青な顔でそう叫んでいるのは16歳の山崎翔(ヤマサキカケル)。 身長は156センチと小柄で、ヨレヨレになったTシャツと、ボロボロのジーンズを身につけている。 「おぉ、帰ってきたか」 ガハハと笑いながら声をかけてきたのは、翔の父親である山崎満(ヤマサキミツル)。 満は翔の頭2つぶん背が高く、顔には無精髭が生えていてワイルドな出で立ちをしている。 「おい、親父!これってどういう事だよ!」 翔はドアに貼ってある差し押さえと書かれた紙を指さして怒鳴る。 「ごめんなぁ。翔。パパ、またやっちゃた」 顔は良いが性格は、かなりだらしない。 「な…、俺がどれだけ働いて借金を返してると思っているんだ!どうせ、またパチンコだろ!」 「ああ。今日はツイテると思ったんだがなぁ」 開いた口がふさがらないとはこういう事だと思う翔。 「あれだけ賭事はするなって言ったのに…あり得ねー。」 こめかみを揉みながら息を吐く。 40歳ちかくなる満のだらしなさには、翔も前々から振り回されてきた。
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