Do you feel meaning?

4/15
前へ
/22ページ
次へ
ただ、この制服では少しばかり暑かった。グレイスは帽子を取り、正面に輝く星を見つめる。意味も価値もない証。俺が、ここにいるという証。 後ろにそびえ立つ警察署を見上げ、彼は俯いた。 証、そしてその場所。 先祖の敷いたレール通りに。 進む自分。 嫌じゃない、別にこのままでいいと思う。 生も死も必要ないこの人生の味は、しょっぱくて甘い。 帽子を被り直し真正面に合わせたグレイスは、ゆっくりと警察署を出ていった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加