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私にとって 幸せを望むにはもう遅いの 「…ひさしぶりね猛」 泣いて泣いて泣いて 涙が枯れるほど泣いたのに 涙が枯れることは無いと知ったのは 何時だったかしらね 「何年ぶりかしら」 何度も問うわ 何度も何度も 貴方の答えを求めて 「猛と同じ歳になっちゃったじゃない」 愛してるわ 何よりも でもきっと 私は 幸せを望むには遅すぎたのね これは愚かしくも幸せを望んだ 私への罰かしらね 私の大切なものは かけがえの無いものは 貴方だったから 神様と私は相性悪いのかしらね 私が望んだものは 指の間をすりぬけてしまうもの 「猛…ねえ」 答えが戻ってくるわけ無いなんて 分っているわ でもね 理解したくないことだってあるのよ 受け入れる事なんて 出来ないことだってあるの 幸せを望むにはもう遅すぎた 貴方がいればなにもいらなかったのに 貴方の存在そのものが 私の生きていく意味になってくれたのに 幸せを望むにはもう遅すぎたわね 愛していたわ 勿論今も 愛しているの ただただ 貴方だけを 今宵も 貴方の墓前に愛を誓う     
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