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とりかえしのつかないことをしてしまった 気付いたときにはもう遅すぎて もう自分では止められなくなっていたんだ 「空?なに見てんだよ」 「んーー?何か」 「何かって何だよ」 気付けば君を目で追っていて この想いの止め方は もうどこにもなくて 堤防なんてない川の洪水のように 僕の想いは溢れていった 「あ…」 「空くん?本、落としたよ」 「ああ、ありがとう白木さん」 「夢、でいいよ」 とりかえしのつかないことをしてしまった 気付いたときにはもう遅すぎて こんな想いは 君には重過ぎるだろう 「空くん?話聞いてる?」 「当たり前だろ?夢の彼氏なんだからさ」 とりかえしのつかないことをしてしまった こんな薄汚い想いは 愛だなんて呼べるほど尊くはないだろう こんな想いは君を押しつぶすだけだろう 「夢…俺はお前の考えてる程いいヤツじゃない」 「…だから?」 「別れて欲しい」 「なにそれ」 「俺の想いはお前には重過ぎるから」 「馬鹿にしないでよ!」 とりかえしのつかないことをしてしまった 君と離れることが 君にとって一番いいことだと思っていたんだ それでも 「私の想いだって重いわよ! 私は空が好きなんだから!!」 君がこの想いを受け止めてくれるというならば 君が愛してくれるというならば―。 とりかえしのつかないとこをしてしまった そう思っていた でも とりかえしがつかくて良かったと 心から思えるのは もっと先だった。        
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