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手から透かしてみた太陽は とても大きかった 太陽を手に入れてみたくて 手を伸ばしてみた そんな太陽はとても大きくて 僕の手には収まりきりはしなかった 「翔…?なにしてるの?」 「太陽…捕まえてた」 「…訳分んないよ」 手から透かしてみた太陽を見ていたら その手に君は手を重ねてきた 「太陽…ほしいよな」 「焦げるよ?」 「でも眩しいじゃん」 「そういう問題?」 「輝いてるし」 「翔?大丈夫?なに語ってるの」 手から透かしてみた太陽は とても大きくて とても僕の手に入りきらなかった それでも 「沙羅も眩しいよな」 「眩しいって…私電球じゃないんだよ?」 「眩しくて直視できない」 「それ、どういう意味よ」 君は眩しいんだよ 僕には眩しすぎる 太陽を直視できないように 「直視しなくてもいいよ それでも私は翔の傍にいるから」 蝋で固めた翼で太陽に近づいた英雄は 蝋が溶けて地面に落ちた 太陽はあまりに大きいから 安易に近づいちゃいけないんだ 近づいたら 焦げてしまうから それでもさ 「分んねえじゃん。 沙羅が離れたいって思うかもよ?」 「それはない。翔」 「なんで言い切る」 「だって私は―――」 手から透かしてみた太陽は とても大きかった それでもさ 手から零れる木漏れ日くらい 浴びていてもいいだろう? 君が居る場所が 僕の居る場所だから    
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