2/4
前へ
/44ページ
次へ
―文久三年四月― 「総司ーーーー!どこ行ったーーー!?」 壬生浪士組屯所では土方歳三のいつもの怒鳴り声が響いていた。 「こんな所まで聞こえてくるなんて、土方さんは凄いですねぇ。」 稽古を抜け出し、壬生寺で子ども達とかくれんぼをしている沖田総司。 「お兄ちゃん、呼んでるよ?大丈夫??」 「そうですね、そろそろ戻ります。また遊びましょうね。」 「「うん!またね~~!」」 「そうだ! 屯所に戻る前に甘味屋に行って団子を買って帰りましょうか。 近藤さんと食べましょう。」 沖田が甘味屋に向かう途中、見た事の無い着物を来た女子が倒れていた。 「大丈夫ですか?」 揺すっても、軽く叩いても目を覚まさない女子に 「……参ったなぁ。 見た事のない着物だし、異人かもしれないから、放っておくと土方さんに怒られるかなぁ…。」 面倒臭いと思いながらも、見た事も無い着物に興味を持った沖田は甘味屋に行くのをやめ、女子を担ぎ上げ屯所に帰る事にした。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加