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「ここどこだろう…」
その頃、小百合は近藤の部屋に辿り着けず、自分がどこにいるのかすら分かっていない。
「あ~もうっ!
誰か通らないかなぁ…。」
「お前誰だ?」
後ろから声がしたと共に首元に冷たい感触がした。
「えっ?」
後ろを振り向くと同時に、皮一枚程度だが首に切り傷が出来た。
其れがようやく刀だと気付いた小百合は、そのまま腰を抜かしてしまい尻餅をつく。
「お前…馬鹿か?」
「だっ…だってまさか刀だなんて…」
「だからお前誰だ?ここは女禁制だが。」
(この人、凄い自己中?)
「き、今日から、ここで女中をやらせて頂く事になった、小百合と申します。」
「あぁそうか。悪かったな。」
そのまま踵を反し元来た道に戻ろうとするその人物。
「待って下さい!!」
「………何だ?」
「近藤さんに呼ばれたんですが…部屋が分からなくて…教えて頂けませんか…?」
「……構わないが、立てないのか?」
「……はい…。」
ククク…と笑いながらも手を差し伸べる。
申し訳なさそうにその手を掴む小百合。
―――それを見てしまった沖田。
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