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山南の部屋から当てもなく歩いていると『斎藤』の手を取る小百合の姿が目に入った。
大方、転んだりでもした小百合に手を差し伸べただけだろう。
分かっていても、斎藤に腹が立った。
知りもしない男に嫉妬心を抱き近藤の部屋まで連れて行かなかった自分が悪い事も分かってる。
小百合が他の男に触れられるだけで、こんなに胸が痛むなら自分が連れて行けば良かった。
だが、自分がこの気持ちを抑えていれば、小百合程の容姿ならいつ死ぬかも分からない自分なんかよりいい男がいるだろう。
斎藤と小百合の姿を見送り自分の部屋に戻った。
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