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「ご苦労様です。」 門番の平隊士に挨拶を交わし門を潜ろうとするも 「沖田先生! 担いでるその女子はどうなされましたか?! あぁ!副長がお怒りになっております!! 急いで副長のお部屋へ…」 「うるさいですよ。 耳が痛いです。 今から土方さんの部屋には行きますので、あなたは気にしないで下さい。」 門番の言葉を冷たくかわしながら土方の部屋へ向かう。 「土方さん! 失礼しますよ。」 返事も聞かずに襖を開け部屋へ入る沖田。 「総司! お前どこ行って……。 何だそいつは。」 厳しい目付きで顔を覗き込んだ。 「甘味屋に行く途中に倒れてました。 見た事のない着物なので一応連れて帰って来たのですが…。」 「こんな色の髪も見た事がない…。 異人か?」 「知りませんよ。 起きたら聞けばいいじゃないですか? 土方さん得意なんだから。」 土方は沖田の言葉に言い返す事が出来ずにいるが、とにもかくにもこの女子が目を覚まさない限りどうしようもないと沖田の部屋に寝かしておく様指示を出した。
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