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その会話を襖越しの小百合はしっかりと聞いてしまっていた。 (沖田さんが…私に…? いや待って! そんな事無いよね! きっと妹みたいな感じなんだよ!うん!) 顔を真っ赤にしながら布団に潜り込む。 十分睡眠を取っている体は気持ちとは反対に寝ようとはしない為、考える事を止める事が出来ない。 ――小百合も俺の事好き?―― (……また。この声は誰?でも、きっと知ってる人だ…。私の大好きな声…。) ――もういいっ!泰大なんか大っ嫌い!!―― (今頭の中に流れている声は自分の声だ。これは……何?) ――小百合!危ない!!―― 「やす…ひろ……?」 「小百合さん、入りますよ?」 小百合が考え込んでいる中、沖田が声を掛けた。 「あっ!はい!」
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