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沖田は気を取り直し本来の目的を告げる。
「そろそろ宴会の準備が整いますが、体調は大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です。」
「じゃあ行きましょう。」
沖田と広間に向かっている時、小百合はふと疑問に思った事を聞いてみる。
「沖田さん。一つ聞きたい事があるんですけど……。」
「いいですよ?何でも聞いて下さい。」
小百合に質問されるのが嬉しくてニコニコしながら待っている沖田。
「あの、沖田さんは私以外の方の前だと口調がくだけてますよね?私は信用無いからそんな風に話して貰えないのは仕方ないと思うんですけど…。」
「………私がそう喋っているのをいつ聞きました?」
「あ………」
小百合は襖越しに聞いていたなどとは言えず固まってしまった。
(会話を聞いてたなんて言えないしどうしよう…。)
「えっと…その…」
慌てふためく小百合が可愛くて沖田は薄く笑みを溢す。
(会話、聞かれてたかな…。)
「小百合ちゃんでいいかな?」
「え?」
「信用が無いからなんて思われたら悲しいから。普通に喋るのに小百合さんなんて言いづらいし。」
「はいっ!」
本当に嬉しそうに笑う小百合。
(こんな顔が見れるなら、聞かれててもいっか…。)
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