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「参ったねぇ…。」
眼鏡を掛けた優しい顔付きの男が溜め息混じりに呟いた。
「申し訳ございません…。」
「いや、名前も分からないんじゃね、君を住んでる土地に帰らす事も出来ないからね。」
「山南さんは甘いんだよっ!」
「土方君…。」
「長州の奴かも知れねぇんだ。
名前が分からないなんて嘘かも知れねぇしな。」
(長州…?
聞いた事ない。
仲が悪いのかな?
仲間じゃないけど…
信じてもらえないんだろうな…。)
「…あの…。
私、長州なんて言葉聞いた事無いです。
記憶が無いなんて、信じて貰えないとは思います。
でも、貴方達の敵ではありません。」
「記憶が無いっつってる奴が何で分かるんだよ?」
「……でも…」
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