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「名前、小百合にしません?」 「総司! 何言ってんだ?!」 土方は額に青筋が走り、近藤、山南は目を見開いて驚いている。 沖田は周りの事など気にせず言葉を続ける。 「私、百合好きなんですよ。 で、この人小さいし。」 「だぁっ! 俺はそういう事を言ってんじゃねぇよ!」 「だって名前が無いと呼ぶ事も出来ないじゃないですか。 帰る場所も分からない、長州の人かも知れない。 どちらにしろここから出す訳には行かないでしょう?」 「はははははっ!」 「近藤さんっ!」 「歳、総司の言う通りだ。 私にはこの子が嘘をついてる様には思えないが、歳の言う通り長州の者だとしたら、何か動きはあるだろうし一先ずここに置いておこうじゃないか。」 (私、ここにいていいの?) 『小百合』は急な展開に付いていけず、情けなく口を開け名前をつけてくれた『総司』という男の顔を見ていた。
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