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「どうしました?私の顔に何かついてますか?」
「いっいえ!あの、ありがとうございます。」
沖田の方に体ごと向き、頭を下げる。
「頭を上げて下さい。私はあなたに名前をつけただけですよ。人に名前をつけるなんてした事が無いので…。気に入らなかったら申し訳ないです。」
今度は沖田が小百合に対し軽く頭を下げた。
「そんなっ!凄く嬉しいです。本当にありがとうございます。」
「はぁ………。近藤さんがそういうんじゃ仕方ねぇが…。」
「じゃあ小百合君には女中をやってもらうのはどうですか?」
『山南』と呼ばれる人の良さそうな男が近藤に問う。
「そうだな。山南君の言う様に、君にはこの屯所内の食事・掃除・洗濯等をやってもらう事にしよう。」
「分かりました。精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。」
「じゃあ総司。小百合君に屯所を案内してやってくれないか?」
「分かりました。行きましょう?」
笑顔で右手を伸ばし手を差し伸べる沖田に、小百合は頬を赤らめつつもそっと手を伸ばし、部屋を出ていった。
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