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「なぁ、昨日さぁ同窓会の案内来たんだけど。小学校の。」
友人達と弁当を囲んでいると、思い出したように玲徒が言った。
「俺も来たよ。この間。レート行くだろ?」
小学校からの友人が1人、言い出し、玲徒を誘った。
「いや、迷ってる。小学校卒業以来会ってないヤツもいるしな。でも、」
まだ途中だった玲徒の言葉を遮って、先程の友人があの少女の名を口にした。
「チョコとか!?」
「ちげーよ!」
友人の一言に直ぐさま反応し、否定した玲徒を見てその友人はニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべている。
「でも、何?」
話を聞いていた高校からの別の友人に、続きを促され玲徒は続けた。
「…でも、会いたくないヤツもいる。」
「チョコとか!?」
全く同じ言葉を全く同じ口調で、同じ友人が一言。
そしてまた、ち、ちげーよ。と玲徒は動揺しながら反発した。
あんなヤツ、もう関係ない。
2度と会わない。
口では違うと言いながら、彼女の事ばかり考えている自分に、玲徒は気づいていなかった。
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