彼氏は宇宙人さん?

6/41
前へ
/122ページ
次へ
女子更衣室でたわいのない会話を交わし、友人と一緒にF組に向かう。 あまいろの丈を詰めたスカートを揺らし、赤いネクタイをキッチリと締めた。 暑い、暑いと手をうちわかわりにして階段を上がった先を右折すると、そこにはハルカが壁に寄りかかって待っていた。 銀色の髪はさらさらとしていて、こちらに気付いた彼はにっこりと微笑んだ。 「お疲れ様。皆にジュースの差し入れだよ。」 右手を胸元辺りまであげるとビニールに入ったペットボトルが見えた。 どうやらグレープジュースのよう。 「わ~!ハルカ気が利くじゃーん!」 喜ぶセンパイは目の色を変えて教室の中に入り、ユッコはハルカの腕を掴んで強引に教室へ引っ張って行く。 彼は困ったようにこちらを見つめた。 青い瞳は私に問掛けるのだ。「スイナも早くおいでよ」‥と。 彼はハーフなんだって。 どこの国かは聞いていない。 でも、見たことのない銀髪に目を丸くしたのは、言うまでもない。
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

674人が本棚に入れています
本棚に追加