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「お昼にしよっか~。」
センパイが鼻歌を歌ってお弁当箱を出して机を寄せて来た。
「アハハ、真千子センパイはお弁当の時間が一番の楽しみだもんな!」
「確かにそうだよね―!」
キャハハ。と、品のない笑いを皆で溢し、窓側席に移動した。
今日も暑い。こんな田舎町には田んぼと山くらいしかない。一年前は横浜で暮らしていた私にとって、まだまだ横浜が恋しいと感じていた。
田舎は虫も多いし、公園というのも少ないし、コンビニは歩いて一時間半の所だし、車か自転車でなければデパートにすら行けない。
横浜に住んでいた私にとって、これはあり得ないことだった。家から出て5分以内に4店舗というコンビニも見つかるし、10分くらいの所にデパートがズラリと並んでいて、カフェやマックがありすぎるくらい。
人もたくさんいて、友達もたくさんいた。今じゃ、少ししかいなくなってしまった。
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