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これはまずい。まずすぎる。あれだなー、多分「何やってんのよ、馬鹿!」くらい言われんだろうな、俺。
「……すまん、考えてなかった……」
俺は正直に言い、平手打ちくらいは覚悟した。
「ふふ、何やってんのよ、バカしん」
…………? あれ? あれあれあれ?
予想外想定外、笑いながら優しくそう言う西沢に、かなり拍子抜けする俺。
それもそのはず、あいつと話した俺の分析データによると、今のはキレてもおかしくない。俺の脳内では、そんな危険人物、西沢茜が出来上がっていたのだ。
「ほら、何やってんの? 置いてくわよ?」
なんか、かなり上機嫌なんだが。何これ? 何かあったの?
まあ、楽しそうにしてるんなら文句はないさ。おかげさまで、こっちも電話で話す時とかわらないくらい、普通に話出来てるわけだし。
「置いて行ったらお前が迷子だぞ、バカネ」
刹那、視界が震えるような感覚とともに、左頬に痺れるような激痛を感じた。
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